兵庫県商工連会報7月号(第742号) 
      令和元年6月20日発行

『トータルカーサービスでお客様の信頼獲得』
オートショップエンドウ(多可町)

≪父のピンチをきっかけに家業を継ぐことを決意≫
もともとは地元を離れ、大手自動車会社に整備士として勤めていた広章氏。しかし平成25年、父が農作業をしている際に足を大怪我してしまい、お客様からの修理依頼を断り続ける状況に陥った。
その話を聞いた広章氏は、「修理を必要としている大切なお客様のためにも、自分が父の仕事を手伝うべきだ。」と一念発起し、前職を退職して地元へ戻ったという。しかしいざ手伝ってみたものの、「父との考え方の違いから、対立することが多かった。」と、当時を振り返る広章氏。転機となったのが、商工会との出会いである。

≪父の念願でもあった車検指定工場≫
各種車共済の見直しの提案ため訪問した、多可町商工会職員の横畑氏に自身の今後の展望を相談した。そしてその目標を達成すべく、二人三脚で事業計画書の作成に勤しんだ。
度重なる事業計画の作成が実を結び、経営革新計画の承認及び、ものづくり・商業サービス革新補助金の採択を受けることに成功。
その結果、自動車の検査機器の導入が可能となり、「自店を車検の指定整備工場にする」という父との共通目標を実現。そのおかげもあり、それまでは対立していた父の信頼を得ることができ、自分の方針に耳を傾けてくれるようになった。
指定整備工場になることで、これまでは姫路や神戸の業者に外部委託していた車検を、自店で実施可能になった。そのため、コストの削減、作業時間の短縮などのメリットがあるだけでなくお客様の、細かい要望に沿った提案をすることができるようになった。
同時に、それまでは女性のお客様が立ち寄りにくい雰囲気であった、整備工場の横に、カフェのような雰囲気の商談スペースを新設。男女を問わずお客様がリラックスでき、気軽なコミュニケーションを取ることができるようになった。
これにより、「お客様に寄り添った対応をしてくれるお店」として、利用したお客様からのクチコミが急激に広がり、以前までは年間200台であった車検の受付が、翌年には700台にまで拡大し、今では設備や整備士が追い付かないほどの人気店舗になった。

≪既存のお客様を第一に≫
その後、オートショップエンドウは当初描いていた事業計画以上に順調に業績を伸ばしていった。そこで更なる業容の拡大のため、広章氏は自らが代表取締役となる㈱ENDOを設立。従来の自動車修理業に加え、自動車リ―ス、中古車販売、保険販売なども積極的に展開し始めた。
現在の売上は中古車の販売が大半を占めている。しかし収益はそれに付随してお客様に提案している自動車保険や、自動車リースが上位を占めている。
収益だけを追求し続けている他社のビジネスモデルには、疑問を抱いているという広章氏。そして、「新規顧客も大切であるが、何よりも既存顧客をこれからも大切にしていき、地域のお客様から信頼され続ける会社にしていきたい。」と、広章氏は続けて語る。
今後は、社員が働きやすい環境を整えながら、より多くのお客様に喜んでいただけるように、商工会と共に更なる事業展開を進めていきたいと広章氏は考えている。